目次
まえがき
世の中には、フリーのVSTでも良いものが結構あります。
今回は、それらを紹介していこうと思います。
DAW付属プラグインだけでは満足できないそこの貴方!ここに書いてあるのをどうぞ使ってみて下さい!
各紹介項目にはダウンロードページのリンクも付けておきます!
VST編(エフェクト)
OTT
XferRecords.com | Home of the Xfer Records VST Suite
絶対入れるべき。マジで。
あの有名シンセ「Serum」*1 を販売しているXfer Recordsが、無料配布しているプラグインです。かけるだけで簡単に†強い†音になってくれます。
これはマルチバンドコンプというやつです。
マルチバンドコンプとは、複数の帯域に分けてそれぞれ独立にコンプレッサーをかけることができるプラグインのことで、OTTは低域中域高域の3つに分かれています。
あとコンプって基本的に閾値以上の音量を下げるやつなのですが、OTTは閾値以下の音量を上げる機能もついてます。
シンセリードとかにかけると中々目立たない高域がしっかり出るようになり、他のトラックに埋もれなくなります、抜けがいいってやつです。多分
リリースカットピアノのあのバキバキの音を作るのにも使えます。
あとマスターにうっっっっすく(10~15%)かけて使ったりすることもあるみたいです。
因みにOTTという名前は元々、Ableton Live付属のマルチバンドコンプのプリセット名だったそうです。
Ozone Imager
Ozone Imager V2 - iZotope Japan
iZotope社の「Ozone」*2 というマスタリングプラグインについている数多の機能のうち、イメージャー機能のみを抜き出したプラグインです。
イメージャーとは何かといいますと、音の広がりを調節できるプラグインのことです。
操作は簡単で、右にある"Width"を上に動かせば音が広がり、下に動かせば狭まります。
"Stereorize"の所をクリックすると、モノラルな音をステレオにすることもできます。
筆者はメインリードは広げて、ベースやキックは広がっているとよろしくないので下げる、みたいな使い方をしますね。
あと、複数リードを重ねるときに、中央の音、サイドの音、というように役割分担をさせるのですが、
それぞれの広がりをコントロールをするのに使ったりします。
Saturation Knob
ツマミ1つとレバー1つのシンプルな造りのサチュレーション/ディストーションプラグインです。
サチュレーションとディストーションはどちらも、音をひずませるプラグインです。違いはあまりありません。*3
ツマミを回せば回すほど音が歪んでいきます。
レバーを動かすと、低域や高域だけをひずませないようにすることができます。
音が細くて目立たないリズム隊とかに挿して厚みを加える、という使い方をします。
Camel Crusher
CamelCrusher (Compressor, Distortion, Filter) • Audio Plugins for Free
こちらは先ほどのSaturation Knob同様ディストーションなのですが、こっちの方が過激なかかり方をします。Crusherだし。
なので、意図的に歪んだ音を作りたいときなどに良く使いますね。ガバキックとか
上のプリセットや左側の3つのツマミで歪み具合や歪み方をコントロールできます。
正直どうすればどうなるかはよくわかっていません(おい)。色々試してみて。
右上はローパスフィルターです。カットオフとレゾナンス*4 を変えられます。
レゾナンスを上げて歪めるとすごい特徴的な音になるので楽しい。
右下はMixと音量ですね。ディストーションがかかってない原音とマゼマゼして、最終調整ができます。
Triple Fader
その名の通り、3つのフェーダーです。
それだけ。
それだけなんですが、オートメーションを書きたい、でもトラックのフェーダーを直接動かしたくない、って時などは重宝します。
あと、3つは互いに独立して動かせ、さらにフェーダー毎に音量範囲を変えられるようになっています。
大きく動かすのと細かく調整するので使い分ける、みたいな使い方ができます。
要は音量調節が便利になるよ。てこと。
Vinyl
またまたiZotope社です。
これはLo-Fiサウンドを作るのに必須レベルで使えます。
レコードの年代が変えられたり、
ビットクラッシャーみたいな効果が得られるLo-Fiスイッチがあったり、
レコードのノイズ音、機械音をつけられたり、
音程をフニャフニャにできたり、
まあ色々できます。
フリーのLo-Fiプラグインでは、おそらくNo.1でしょう。
RoughRider 3
RoughRider 3 Free Compressor Plugin – Audio Damage
通称「スネアがバカになるコンプ」。
コンプなんですが、めちゃくちゃデカい値をratioにセットできて、めちゃくちゃデカい音を作れます。頭が悪い説明
ほっそいスネアとかを存在感マシマシバカでかくできます。
サイドチェインも対応しています。
Valhalla Freq Echo
Valhalla Freq Echo: Freqency Shifter Plugin | Free Reverb Plugin
特にサイケ *5 方面で使われそうなクセありのエコーを作れるプラグインです。
エコーのピッチを少しずつ上げたりとか下げたりとかできます。
上手に使って自分好みのキモい音を作ろう!
VSTi編(音源)
お次はVSTiの紹介。
「i」とはインストゥルメントのことで、音源となるVSTはこのように呼ばれます。
Vital
Vital - Spectral Warping Wavetable Synth
絶対入れるべき。マジで。
第2弾。
典型的なWavetableシンセにある機能がほぼ揃っているのに無料の異次元プラグイン。謂わば「Serum無料版」。*6
使い方の詳しい解説はネットで検索かければ幾らでも出そうなのでそっちに投げます。めんどくさい()
シンセリード、パッド、ベース、キック、ベル等々、使えればめちゃくちゃ大戦力になります。使い方が特段難しい、とかも多分ないです。
まあ流石にADSR *7 とかフィルタとかエフェクトとか知らないと使えないけど、ネットで検索かければいk(ry
簡単な解説記事は書くかもしれないし書かないかもしれない。
Piano One
無料のピアノ音源だと一番良いと思います。
まず出音がいい。
反響音とか余韻とかもある程度調整できます。あと音の硬さ?鋭さ?みたいなのも。
あんまりガチになって調整したことないけど。おい
ただ、リリースを完全に0にすることはできないので、リスカピアノには使えないかもしれないです。ぽいのはできるけど。
LABS
Spitfire Audioの無料音源。
Spitfire Audioが元々高品質なオーケストラ音源を販売している会社なだけあって、非常にクオリティが高いです。
いくつかの音源があって、それをサイトから落として専用のプレイヤーで使うという使い方です。あとLABSの名の通り、実験的でアンビエント系の音色が多いです。
多少クセは強いですが無料だったらまあ十分な品質ですね。ヴァイオリンとか好き。
サウンドフォント
これはVSTそのものの話ではないんですが、後に紹介する奴らのために解説しときます。
サウンドフォントとはその名の通り「音のフォント」です。
普通のフォントが、文字の形のデータを持っていて、
ワープロ等で文字コードに対応する文字を表示するものであるのと同様に、
サウンドフォントは、原音ファイルやADSR、エフェクトなどの情報、謂わば「音の形」のデータを持っていて、
DAWでMIDIノートに対応して音を出力するものです。
sf2ファイルとsfzファイルの2種類のファイルがあり、どちらも専用のプレイヤーに読み込ませて使います。
sf2のプレイヤーは有名どころのDAWだと最初から付属してる事が多いと思います。
Studio OneだとPresence、FL StudioだとDirectwaveとか。
ない場合は後で紹介するBassMidiVSTi等の無料プレイヤーをDLしてくるのがいいでしょう。
sfzの方は、後で紹介するSforzando等のプレイヤーを使います。
ちなみに、サウンドフォントはやり方を覚えれば自分で作ることもできます。やったことないけど
そうでなくても、ネットで検索すれば色々と出てくると思います。
ここからはいくつかのプレイヤーとサウンドフォントを紹介していこうと思います。
BassMidiVSTi
BassMidi VSTi by Falcosoft - Synth (Wavetable) Plugin VST
先程言ったsf2プレイヤー。
筆者はStudio Oneを買う前、REAPERという知る人ぞ知るドマイナーDAWの無料版で曲を作っていて、これにはプレイヤーが付属してなかったので入れました。
いくつかある簡単なツマミで音を調整したりもできます。
それぐらいかな。
今はPresenceがあるので使ってません。
GeneralUser GS
S. Christian Collins - Pianist, Composer, Virtual Instrument Designer
お次はsf2ファイルの紹介。
この世にあるメジャーな楽器はひと通り揃っているので、結構使えます。
ただ、音がモノラル気味です。品質には期待しない方がいいと思います。無料なんてそんなもん
Touhou.sf2
Touhou Soundfont | Musical Artifacts
名前の通り、東方原曲で使われてそうな楽器の再現がたくさん入ったsf2ファイルです。
所謂ZUNペット(SD-90のRomantic Tp)もしっかり入っています。
これの存在はゆういちろう君に教えてもらいました。感謝。
最近入れたのでまだ使ったことないですが何かに使っていきたいですね。
Sforzando
sfzファイルを読み込んで、様々な音を鳴らせるプラグイン。
こっちも簡単なパラメーターだったらイジれますね。
それに加えて、特定のsfzファイル(下のUI Standard Guitarなど)では、何かをインストールして独自のGUIで操作できます。
sf2ファイルをsfzに変換して使う機能も付いていますが、僕の環境だと音がバクりがちなので、大人しく専用プレイヤー使ったほうが良さそうです。
Unreal Instruments
sfzファイルの紹介。
絶対入れといた方がいい。かなり使える。
ギターなど、いくつかのsfzファイルの総称です。あのゲームエンジンとは多分関係ない
エレキギターのUI Standard Guitar,
よりメタル向きのギターのMETAL-GTX,
エレキベースのUI Standard Bass,
13弦琴など。
制作者が自ら録音しており、さらに、1つの音を複数回録音して、それをMIDI入力がある度入れ替え鳴らしているので、より自然な音色になっています。*8 本当に無料でいいんですかこれ。
僕の曲のギターは大体これ使ってます。
他にもキースイッチで奏法を変えられたり、まあ色々できます。
あ、ギター音源使う際はしっかりアンプシミュ使いましょうね。
Magical 8bit Plug 2
Magical 8bit Plug | YMCK Official Website
YMCKが出している、8bit音源です。ファミコンで聴いたようなパルス波、三角波、ノイズが出せます。
パルス波のDuty比 *9 は12.5%, 25%, 50%の3つが選べます。
ADSR、ピッチベンド *10、ビブラートの設定の他、
"Advanced Options"をクリックすると"Volume" "Pitch" "Duty"の3項目をより細かくコントロールすることができます。
詳しい使い方は、公式から動画が出てるのでそれを見るのがいいと思います。
FAMISYNTH-II
8bit音源です2。かめりあも使っているって聞いたんですが本当?
UIがファミコンっぽくてイイネ👍操作性?知りません
機能はMagical 8bit Plug 2と大体同じような感じですが、こっちは正弦波、ノコギリ波も使えます。あとビブラートのかかり方が緩やかで、エコーも設定できます。
その反面、音高やDuty比を細かくいじることはできないので、一長一短といった感じですかね。リードを作るのはこっちの方が向いている気がします。
あとプリセットも充実しています。
Dexed
元祖FM音源「YAMAHA DX7」のエミュレートプラグイン。
FM音源というのは周波数変調を利用して音を作るタイプの音源のことです。
簡単に説明すると、6個の正弦波オシレーターがあって、あのオシレーターの波でこっちのオシレーターの周波数を変調させる、みたいなことができます。
ピッチとか組み合わせとかを変えたりして、多種多様なサウンドを奏でられます。
よりちゃんとした解説は↓
ただ、自力で音をつくるのは結構難しいです。非直感的なので。僕は基本プリセットしか使わないですね。ちゃんと使えるようにはなりたいけど。
あとがき
以上、クソ雑紹介でした。いいと思ったらぜひ使ってみてください。まだまだ僕の知らないフリーVSTもたくさんあると思うので、自分でも探してみて。
「これ、使える!」ってのがあったらぼるんちゅに教えてくれると喜びます多分。
じゃあまた。
*1: 僕は持ってない、買ってくだせぇ誰か。
*2: これは有料
*4: カットする周波数の所を持ち上げてシュワ~感を出す度合。詳しくはググれ
*5: Psychedelic Trance。「スネ夫が真言を唱えているときに流れている曲」のジャンル。
*6: 僕が勝手に言ってるだけ。
*7:もしかして: ASMR
*9: パルス波というのは振幅が最大値と最小値のどちらかの値をとるように周期的に変化する音色(Wikipediaより引用)だが、その最大値と最小値の長さの比のこと。50%で矩形波と同じ
*10: 音高を徐々に滑らかに変化させる機能。このプラグインに於いては、出だしの音高の変位とそこから元の音に戻る時間を設定できる